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定期配信からさらに一歩進んだプロジェクトへ!ワークショップ参加者インタビュー:アプリコット出版株式会社

定期配信からさらに一歩進んだプロジェクトへ!ワークショップ参加者インタビュー:アプリコット出版株式会社

イベント 事例 • 2019.07.08

自社ビジネスに貢献するための、効果的なメールマーケティングを行うためには様々な力が必要です。目標と現状とのギャップの認識。目標に到達するために必要なものごとの見通し。様々な制約や条件下で施策を取捨選択する判断など。 こうした力の養成を目的に、2018年9月に開講した「メールマーケティング担当者のためのプロジェクト力養成講座」。 今回、児童英語教材・書籍の出版を行っているアプリコット出版株式会社の山口靖代表取締役と、第2期講座(2019年3月~5月)を受講された上江洲里枝さんに、以下のお話を伺いました。 ・ユーザーから生まれた教材だからこそ、つながりを充実させたい ・配信の定期化が開封率向上に繋がった ・プロジェクトの全体像を可視化するフレームワーク ・今後のメール活用 [caption id=\"attachment_40048\" align=\"alignnone\" width=\"1260\"] アプリコット出版株式会社 上江洲さん[/caption]   ユーザーから生まれた教材だからこそ、つながりを充実させたい ●創業の経緯とデジタルマーケティングに取り組み始めた理由について教えてください 【山口】 弊社は、医療関係のグループ会社のなかで、当時ほとんどなかった国産の子ども向け英語教材と教授法の研究会支援と、そこで開発された英語教科書制作事業がきっかけでスタートしました。創業が1959年で60年以上経ちますが、グループ会社から独立したのが2009年になります。グループから独立して5年目以降、事業を少しずつ拡大していくフェーズに入りました。 私たちが英語教材の研究会からスタートした経緯があるからだと思いますが、出版社としてはめずらしく、ユーザーである塾や学校の先生と直接つながっています。自社の教材をどんな方が、どのように使っているのかを理解して、現場に即した教材開発をしていくことを、会社の存在価値としてとても重視しています。 そのための施策として、メールやSNSを通じたお客様とのつながりを充実させていきたいと考え、動き始めたタイミングで上江洲さんが入社しました。 【上江洲】 私が入社したのは2018年9月です。大学卒業後、資産運用会社で調査業務を担当し、投資銀行のM&Aアドバイザー、国際機関でアドミの仕事などを経験し、この先どうしていこうか考えていたころに、個人的なつながりで声をかけていただきました。 【山口】 今、限られた少人数で回しており、一人一人が色んな仕事を兼務していますが、上江洲さんには広報業務やメールマーケティング、SNSでの情報発信などを担ってもらっています。 ●Benchmark Emailはいつ頃からお使いになっていますか? 【山口】 メルマガの取り組み自体はもう少し古くて2010年くらいから始めていました。(塾などの)先生方はスクールが隣近所にあるとライバル関係になってしまうということもあって、なかなか教材の活用方法などの情報共有がされにくくなっています。そこで私たちのような存在がこうした情報を発信して、教材活用の提案やアドバイスなどを行ってきました。 ただ、当時は画像一枚挿入するのにもどうやればいいかわからない状態で、どのくらいのボリュームのメルマガを書けばよいのか、どのくらいの頻度がいいのかといったことも手探りで行っていました。また、10年前というのはSNSはもちろん、先生方がメールを定期的に見るという習慣がなくて、定期配信と言いながらも3ヶ月に1回配信すればいい方で、へたをすると半年に1回というときもありました。その後、自社サイトの制作や更新を依頼している企業の方からBenchmark Emailをお勧めされて、2016年から使い始めました。 配信の定期化が開封率向上に繋がった ●上江洲さんが加わってからどのようにしてメールマーケティングを行われたんでしょうか? 【上江洲】 まずはメルマガを配信できていない状況を改善するために、必ず月1回は配信するということにして、年間カレンダーを作成しました。 以前は配信するときどきで掲載する情報量に差がありました。多いときは10個近くのトピックがあったんですが、それを毎月定期配信するのは難しいため、メルマガのトピックは3つにまとめることにしました。一つ目は会社としての動きやニュース。二つ目は商品紹介。三つ目は先生に役立つような情報。こうやって絞り込みをして整理した上で、商品によっては「この時期に伝えたい」というネタがあるので、前もって書けるものは事前に書く、というようなことを一生懸命やっています(笑) 【山口】 なぜ定期的に送れていないのか。言いたいことを詰め込み過ぎているからじゃないかといったことの分析から始まって、内容をカテゴライズするなど、段階をふみながら進めていってくれたと思います。 お客さんから「すごい定期的に来るようになりましたね」とか、次回の内容、楽しみにしています」「今までそういうものは来てなかったけど、来るようになったので真剣に見ています」といった声が届くようになりました。 お客さんはメールを見る習慣がないからって、お客さんのせいにしていてはいけなくて、やっぱり定期的に開封していくように誘導していくのは自分たちなんだ、ということが改めてわかりました。   実際に配信されたメールマガジン メールマガジンの本文を見る プロジェクトの全体像を可視化するフレームワーク ●プロジェクト力養成講座に参加されたのはどういったタイミングだったのでしょうか? 【上江洲】 経歴上、ITやSNSのことがあまりよくわかっておらず、HTMLメールとテキストメールが違うものということすら理解していなくて、それで失敗をしてしまうようなことがありました。Benchmark Emailは使いやすいものの、基礎知識からちゃんと学ばないといけいないと思っていたときに、社長から「こんな講座があるよ。いいんじゃない?」と勧められました。 実際に行ってみたらBenchmark Emailの操作方法などではなく、プロジェクトの進め方がテーマだったんですが、会社としてメールマーケティングやSNSマーケティングを行っていくうえで、その進め方をどうしていくかということも課題だったので、色々と学ぶものがありました。 ●受講後にプロジェクトは進みやすくなっていますか? 【上江洲】 プ譜を使うことで、目標に対してそれを実現するための施策を考えて、実行に落とし込んでいく過程で、考えた施策がちゃんと目標に結びついているかが明確になります。 その目標の実現に関係のない施策は採用しないとか後回しにするといったことの判断ができるようになったと思います。自分たちの行動は何のためにやっているのか。それをいついつまでにやるのか。想定と違ったとき、次に何をやるかといったことがクリアになるので、社内でもすごく説明しやすくなりました。 見える化するのは大切な事です。社内の他のメンバーにプ譜を見てもらうことで、「じゃあこういう施策があるんじゃない?」といったアイデアの共有や個人個人の知識を入れこむことができるので、このフレームワークを得られて本当に助かっています。 実際に作成されたプ譜   ワークショップ内容とプ譜について詳しくはこちらをご覧ください。 メール配信の施策からゴールまでを可視化する。プロジェクト力養成ワークショップを開講!   ●実際にどんなことがあったのでしょうか? 【上江洲】 メルマガ登録数を増やすことを目的に10%クーポンの提供を行っていたんですが、これは目標数値には届きませんでした。その後、購入していない購読者をセグメントして「クーポンを見逃していませんか。もったいないですよ」というメールを送ったものの、これも効果がありませんでした。 【山口】 時期的なものもあるかも知れません。先生方の意識が向いているのは、教材を探す年度替わりのタイミングなんですね。この時期に出版社の情報を一番気にします。年明けから4月までの間は、何をやっても先生たちの反応が早いというか敏感です。その後、スクールが始まって、ある程度落ち着いてくると、アプリコット出版のホームページすらあまり今は見ないようになります。施策がうまくいかないのはそういう時期・タイミングの影響もあると思います。 【上江洲】 一人当たりの購入単価は前年比と比べても高くなったんですけどね。本来あまり購入されない時期に購入いただけるのはありがたいです。 ただ、これは本来の目的ではないので、そこに引っ張られてそもそもの目的を忘れないよう、振り返ったり足元をちゃんと見るという意味で、プ譜が役立っています。 今後のメール活用 ●開封率などメール配信後の分析はどのように行っていますか? 【山口】 毎月定期的に行っています。開封率も登録者数も、上江洲さんが担当になってから数字はずっと右肩上がりです。開封率だけでいえば、17%から20%を超えるようになってきました。 これまで登録されていたアドレスが無効になっていて、メールが未達になっていることも解析ツールで確認してリストの整理をしています。 ●今後、Benchmark Emailを使って実現していきたいことについて教えてください 【山口】 紙のDMというのはコストパフォーマンスを考えると、あまり良い方法だと思っていません。お知らせしたいことはどんどん増えていきますし、一度にたくさんの情報を送ってもお客さんは本当に観るんだろうか?と。こちらからお伝えしたいことは、一番良いタイミングで、適量をお知らせするというのがいいと思うので。 極論、紙のDMをメールに変えたいぐらいなんですね。このあたりの切り替えにかかるコストや影響などはまだ試算していないですが。将来的にそうした状況にしていくために、登録を促すパンフレットやリーフの制作、イベントでの配布、DMへの封入などを行っています。 そういう意味では、今はDMのメール移行へ向けた意識付けの段階ですね。 【上江洲】 講座参加中にアイデアを頂いた、アンケート施策(アプリコット出版の好きなところ、価値を感じることなどをアンケートで聞いて、自社の顧客像をより明確にし、メルマガコンテンツの作成や開封率の向上などにつなげる目的で実施)を実際に行ってみて、私たちが想定しなかったような答えを頂くことがありました。 ユーザーと直接つながっている、ユーザーとの距離が近い出版社として、今後も役に立って、効果のあるメールをつくって配信していきたいと思います。   (インタビュー/文:前田考歩) 次回の講座開講はニュースレターにてお知らせします。   関連ブログ: プロジェクト力養成ワークショップ参加者インタビュー:株式会社繊研新聞社 効果的なメールアンケートの作成から活用方法までを解説!  


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【事例】ECサイトの売上を最大化するメールマーケティングの仕組みを公開!無地Tシャツ販売の“Tshirt.st”

【事例】ECサイトの売上を最大化するメールマーケティングの仕組みを公開!無地Tシャツ販売の“Tshirt.st”

事例 • 2019.05.28

こんにちは。遠藤です。みなさんのメールマーケティングに役立つ事例を共有したく、Benchmark Emailを利用しているユーザーの方に、お話を伺ってきました! 今回、お話を伺ったのは、無地のTシャツを販売している「Tshirt.st」の株式会社DAQ 代表 後藤様です。 [caption id=\"attachment_39188\" align=\"aligncenter\" width=\"970\"] Tshirt.stウェブサイト[/caption] Tshirt.stは、国内外の無地Tシャツを扱うメガショップとして、累計19万人以上に利用されています。ECのメールマガジン活用の事例として、運営体制から、今後の展望まで、参考になります。 メールマガジンは4人体制。仕組み化に力をいれている -メールマガジンの配信状況や運用体制について教えてください。 主に商品の告知やセール情報を配信しています。毎週、特価商品(タイムセール)の情報を届けています。あとはオウンドメディアの記事を配信もしています。 最近「爆速便」という商品を即日届けられるサービスができたので、そういった新サービスの案内も送っています。 弊社は店舗運営なので、本店担当、楽天担当、Yahoo!担当というように専任の担当者がいます。 メルマガは本店担当で4人体制です。 [caption id=\"attachment_39189\" align=\"aligncenter\" width=\"970\"] 株式会社DAQオフィス[/caption] 普通にやっていると担当者への負担も大きいので、どんどん「仕組み化」をしていこうと考えています。過去には店舗担当者のネタ切れで、ネガティブな内容を配信してしまうこともあったので、今は、クリエイティブな企画は全社を通じて立てて、店舗担当者には、そこに色を添えるようなレベル感にしたほうが良さそうだなと思っています。 仕組み化の1つとして、ステップメールも取り入れたいと思っています。ショップの良さや、Q&Aを、うまくステップメールで配信できれば、1回購入してくださった方が、ロイヤルカスタマーの成長していただけるのではないかと思っています。 メルマガのデザインで「テンプレート」も強化しています。店舗運営の人はウェブ製作者ではないので、コーディングやグラフィックが描けるわけでもありません。なので、テンプレート化は大事だなと思っています。 メールマガジンのデザインはスマホ重視! − メルマガのデザインでこだわっていることはありますか? メルマガのデザインは、スマートフォンでの見た目を重要視しています。スマートフォン用のコーディングが特殊で、テーブルタグできちんとやっていないと、パッと見はかっこいいけど、届いたら、ぐちゃぐちゃになったりもします。 メルマガの構成も、シンプルな構成を目指しています。とにかく簡潔で、文章は多くなく、パッと見られることを意識しています。 1通がシンプルで、届けられる情報が限られてしまうので、配信頻度を少し多くすることはしています。 最近は、Googleアナリティクスのデータを見て、デザインもレスポンシブにせず、完全にスマートフォン向けのデザインにしています。メールを読むのも、スマートフォンのアプリとかGmalとか、そもそもそんなに横幅がないので、スマートフォンのレイアウトでちょうどいいくらいですね。 商品を購入してくれた人にしかメールマガジンは送らない − メルマガのリストは、どのように獲得されているのでしょうか? 商品を購入してくださった人にメールマガジンを配信をしています。Webサイトにも、登録フォームはあるのですが、日本は登録率が低い印象があるので、Webサイトを訪問している人に、積極的にメルマガ登録を促すことはしていません。 弊社ではカジュアルノートという、Tシャツを中心にカジュアルファッションの情報をいろいろな角度で発信しているオウンドメディアを運営しています。そこの人気記事を抜粋してメルマガで送っています。 「カジュアルノート」メール全文を見る 会員様は12万人くらいいらっしゃるので、その方にカジュアルノートの記事を送って、気に入ってもらえたら、セール情報などを送るメルマガにも登録していただけるという形です。 タイムセールなどの「売り込む系」のメルマガは、商品を購入していただいた方のうち、セール情報のメルマガ購読を希望された方にだけ配信をしています。 「セール情報」メール全文を見る メールマガジンの効果測定は「クーポンの利用率」 − メルマガの効果測定はどのようにされていますか? 弊社ではメルマガに、少額でもクーポンをつけています。このクーポンの利用率を一番大事なKPIとしています。 [caption id=\"attachment_39191\" align=\"aligncenter\" width=\"500\"] メールマガジンに必ず掲載しているクーポン[/caption] メルマガのクリック率や、開封率も見てはいます。メルマガないのリンクや動線で、どれだけ売れたかも、Googleアナリティクスで、しっかり解析もしていますが、一番は「クーポンの利用率」です。売り上げにつながったかどうかを、クーポンの利用で判別しています。 大きなセールの時はもちろんクーポンは利用されるんですが、カジュアルノートの記事からでも十分に売り上げにつながります。新しいサービスの拡充をお知らせするのも受けがいいです。 流入元の売り上げ順だと、広告経由、SEO経由の次にメルマガの売り上げが入ってきています。 メルマガの開封率は8〜10%で、クリック率は4〜8%くらいです。内容によって、バラツキがありますが、タイムセールは反応がいいですね。これは、配信を申し込まれた方に送っているのも要因としてあると思います。 普段は、メルマガからWebサイトへの流入をGoogleアナリティクスで見ています。Benchmark Emailは各メルマガに自動でパラメータが付くので、それを見ています。 Benchmark Emaiのパラメータを付けてくれる機能は、一番助かっています。手動だと、担当者がミスをしたら、データを取れない、Googleアナリティクスで見れないとなってしまいます。そうなってしまうと、かなり問題でなので、自動で付けてくれるのはありがたいですね。 LINE@には可能性を感じている。それぞれの媒体に合った配信が大事。 − Tshirt.stではLINE@をアピールされていますが、メルマガとの違いなど教えてください。 LINE@は、利用し始めて、まだ半年経っていないくらいですが、順調にリストが集まってきていて、非常に可能性を感じています。 弊社の店舗は、かなり低額のTシャツ販売店なのですが、これまでずっと電話対応をしています。お客様からの電話数も、かなり多いのですが、そこで商品の売り込みは、さすがにいやらしい。ですが、LINE@の1on1チャットをカスタマーサポートとして利用すると、対応したお客様のLINE IDを得ることができます。リストを得ることができるわけです。 今後はLINE@でも、メルマガのように配信をしていこうかなと検討しています。ただ、LINE@に限らず、SNSでも、できるだけ媒体に合わせて、相性のいい配信をするようにしています。1つのクーポンを、全メディアで送ると、せっかくLINEもメールもSNSも読んでくださっていた人が解除してしまう。それが起こらないようにはしたいと思っています。 今後はステップメールを活用していく予定 − 今後のメルマガ運用について教えてください 今後は、ステップメールをしっかりと使っていきたいと、準備をしています。 弊社の商品を買っていただいた方に、割引情報や決済方法、なんでこんなに安いのかといった、私たちのことを知ってもらえるコンテンツを、きちんと届けていきたいと思っています。 最近はWebサービスを参考にしていて、アカウントを作ると、ステップメールでメールが届いて、そのサービスを理解するという体験がいいなと感じています。 ステップメールで、しっかりと情報を伝えて、そこからカジュアルノートの旬な記事を読んでもらってという流れがいいですね。旬なものはカジュアルノートでやっているので、そこで良いなと判定したものをメールで届けて、会員の方は、ウェブで見てもいいし、メールで見てもいいのような、両方があっていいと思っているので、それを形にしていく予定です。 まとめ 今回のTshirt.stのメルマガ運用では、ECのメルマガ運用で参考になることばかりでした。なかでも「Googleアナリティクスを使った分析」と「仕組み化」は、印象的でした。 メルマガの効果測定を、開封率やクリック率ではなく、クーポン利用率という、売り上げに明確に紐づくもので判断している。一般論の基準ではなく、自分たちのオリジナルの基準を持っているのは、見習いたいですね。 また、テンプレートやステップメールなど、仕組みを作って運用するということも、継続的に成果を出していくには重要なことだと思います。 ECでメルマガを担当されている方は、ぜひTshirt.stを参考にしてみてください!


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ランキング形式を有効活用!平日と休日で内容に変化を持たせる旅行企画業の事例

ランキング形式を有効活用!平日と休日で内容に変化を持たせる旅行企画業の事例

メールマーケティングノウハウ 事例 • 2019.04.18

こんにちは、ミヂカナ株式会社の一戸です。 今回インタビューさせていただいたのは遊び・体験・レジャー・オプショナルツアーの予約サイト「アクティビティジャパン」を運営する株式会社アクティビティジャパンの山本さんです。同社はHISの子会社として、全国3,000以上の事業者と提携し、約13,000の商品ラインナップを保有しています。 [caption id=\"attachment_37043\" align=\"alignnone\" width=\"970\"] 株式会社アクティビティジャパン 山本さん[/caption]   「メール配信の最大の目的はWebサイト上でコンバージョンを獲得することではない」と仰る山本さんに、長期的な顧客関係構築のための細かな工夫として、ランキング形式の活用や配信時間について伺いました。 アクティビティジャパンのメール施策概要 旅行先での体験を充実させるアクティビティツアーを提供している同社では、顧客向けと事業会社向け2種類のメールマーケティング戦略を実践しています。 ① 既存顧客向け メールマーケティングの目的: 定期的なツアー商品紹介を通して長期的な顧客関係構築 主な配信コンテンツと配信頻度: - メイン特集1件+サブ特集4件のwebサイト誘導(週3回) - 人気アクティビティのランキング発表(週1回・日曜) 配信時間:平日は夕方17時 / 休日は午前10時 配信対象:アクティビティジャパンを利用したお客様 ② 事業会社向け メールマーケティングの目的: 品質向上を目的としたコミュニケーション 主な配信コンテンツと配信頻度: 事業会社への連絡事項(アンケート機能を活用) 配信対象:現地でアクティビティを管理する事業会社   開封率は気にしない!購買サイクルが長い商品のアプローチ方法 BtoCのECサイトにおける購買促進のためのメールを配信している方々は、開封率やクリック率、その先のコンバージョン率に日々一喜一憂しているのではないでしょうか。開封率は30%前後、クリック率を10%前後、など、指標を掲げている場合が多々ありますよね(筆者は過去にECサイト担当者だった頃そうでした)。 アクティビティジャパンが提供するサービスは旅行時の現地でのアクティビティツアーということで、購買サイクルが長期におよぶことが大きな特徴です。 [caption id=\"attachment_37042\" align=\"alignnone\" width=\"970\"] アクティビティジャパン社ウェブサイト[/caption] 購買サイクルが短い消耗品や家電製品などは、日々メールマガジンでお得情報が届くことで即日購買に至りやすいわけですが、旅行となると「お、良い旅行が紹介されたから今週末に行ってみよう」とはなかなかいかないわけです。 購買サイクルが年単位になりますので、購買(旅行)の直後に「もう一度どうですか?」と再購買を促しても、やはり需要とはマッチしません。   よってアクティビティジャパンのメールマガジン読者は「通年メールを閲覧する気はなく」「メールが直接的な購買のトリガーになるわけではない」ことが想定されます。   だからこそアクティビティジャパンではメールマガジンにおいて目先の開封率・クリック率・コンバージョン率だけにとらわれず、サービスの認知や潜在的な購買意欲の向上を目的にしており、日々配信しているメールマガジンが「数ヶ月後、ふと旅行が気になる」「旅行先のアクティビティが気になる」と結果的にユーザーの行動に繋がれば良いという意識で運用しているのです。   平日と休日で変化を持たせる 平日2回、土日に2回で平均週4回ほどメールマガジンを配信しているとのことで、なかなか頻度が高いですね。配信する時間帯は「都市在住者が情報収集をする時間帯」を意識して、平日は夕方17時、休日は午前10時と分ける工夫をしています。休日10時はテレビの情報番組が入る時間のため、旅行の情報も購読者の頭に入りやすいという読みです。 読者の生活スタイルや、自社サイトのアクセス・コンバージョンといった時間から配信時間を設定するのはとても効果的です。   また、毎週日曜日には「週間ランキング」としてその週に予約催行される人気のアクティビティベスト10を紹介しています(メールに掲載するのは4位まで)。 差別化されたメールを1通入れることで、週4本届くメールの中にもメリハリが生まれています。 「人気のアクティビティ=予約が取りにくい」「今週予約催行=今なら申し込みが間に合う」ということで、同社のメールとしては比較的強く購買を促す内容といえるかもしれません。 平日に種を撒き、旅行の計画を立てる休日に強く推す。このように購買タイミングにピークを持ってくるリズムが工夫されています。   平日・土曜日の特集紹介メール [caption id=\"attachment_37044\" align=\"aligncenter\" width=\"599\"] こちらから全文を確認[/caption]     日曜日のランキングメール [caption id=\"attachment_37046\" align=\"aligncenter\" width=\"541\"] こちらから全文を確認[/caption]   高頻度の配信を実現する社内体制 週4回という頻度でメール配信を行うためには、リンク先のページや紹介するツアーの内容など、メールマガジン以外の部署と密に連携する工夫が必要になります。アクティビティジャパン社では毎週メルマガ担当者・営業担当者・Web統括担当である山本さんを交えて横断的に企画会議をおこなうワークフローが構築出来ているとのことでした。 全てはサービス品質の向上のために!「事業会社とのコミュニケーション」にレポートを活用 同社ではエンドユーザーに提供している旅行先でのアクティビティを管理するパートナーである「事業会社」へもBenchmark Emailを通したメール配信を行っています。 業務連絡のため内容の公開はできませんが、現地で天候や運営状況など特に問題が無いかの連絡事項の通達メールにBenchmark Emailを利用し開封やクリック詳細を確認することで情報が伝わっているか?事業会社がオンライン上でコミュニケーションが取れる状態であるかをチェックしています。 [caption id=\"attachment_37047\" align=\"alignnone\" width=\"970\"] 「クリック率」や、メールマガジンの中の「どこが具体的にクリックされたか」、普段配信している対象者の「誰がそれらの反応をしたか」といった効果測定をすることができます。またメールアドレスごとに、どれだけ配信メールへエンゲージメント(反応)しているかを5段階で評価可能です。[/caption]   アクティビティ事業というものは、アクティビティジャパン社が自社で提供しているわけではなく、それぞれ現地でアクティビティを提供している事業会社との連携によるものです。エンドユーザーにとって旅行先という不慣れな場所で、かつ自社ではなく他社が管理するアクティビティを紹介することになるので、品質管理を徹底し、安心して楽しんでもらうことにとても気を使っているそうです。 メールの中では、利用に関するアンケート調査も行なっています。 さらに、事業者からアクティビティジャパンへの申し込みフォームとしてもアンケート機能を利用しています。アンケート結果は一覧をダウンロードすることができますので、その後の管理もスムーズになります。このような活用方法があったとは驚きです。 関連記事:効果的なメールアンケートの作成から活用方法までを解説! 最後に アクティビティジャパン社ではメール配信の活用において、目先のコンバージョンだけを追うのではなく、自社サービスの品質向上とその先の顧客体験の向上を最大の目的とした運用体制を常日頃から意識しているのが特徴的でした。 目先のコンバージョンだけでなく中長期のエンゲージメントという目的意識を持つ 休日と平日ではユーザーの行動が異なるため、配信時間や内容もそれに合わせて工夫する エンドユーザー以外のステークホルダー(本記事の様な協業企業や、人材なら求人企業、物販なら卸など)との関係構築にもメールマーケティングが有効 顧客体験を最大化するためパートナーの事業会社にBenchmark Emailを利用したメール配信を行っているということには、とても新鮮な驚きがありました。顧客向けだけでなく、取引先や自社の社員向けにもにもメール配信サービスを有効活用できる可能性があるのだと感じます。 メールマーケティングを今回のように事業の中で必要なひとつのコミュニケーションツールとして何ができるかを考えてみることで、新たな活用の道が拓けるかもしれませんね。   執筆者:一戸健宏(ミヂカナ株式会社)について Web制作会社でディレクターとして長く勤めた後、全国展開の小売事業会社にてWeb戦略およびEコマースのマネージャーへ転身してプランニングから効果測定やグロースハックまで幅広い業務を受け持った。その後、制作サイドとクライアントサイドの両サイドを実体験している経歴を活かし、両サイドに対して「身近な存在となること」をテーマの一つとして、2017年12月、ミヂカナ株式会社を設立する。 またWeb制作会社時代に培ったディレクションやCMS「WordPress」のノウハウを活かし、書籍の執筆や講演などもおこなっている。  


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メールマーケティング担当者のためのプロジェクト力養成ワークショップ参加者インタビュー:株式会社繊研新聞社

メールマーケティング担当者のためのプロジェクト力養成ワークショップ参加者インタビュー:株式会社繊研新聞社

イベント 事例 • 2019.01.23

効果的なメールマーケティングを行うためには、スケジュール通りのメール作成や配信はもちろん、リスト管理、効果検証など、目標達成のために広い視野を持ってプロジェクトをリードする必要があります。そこで、メールマーケティング担当の方がプロジェクトマネージャーのように全体的な視点を持ち、その中で自身の業務を整理しながらマーケティング活動を進められるプロジェクト力を養成するためのワークショップを2018年9月に開講しました。早くも4ヶ月(月1回開催)が経過した当ワークショップですが、ここからは参加者の方の声を数回に分けてお届けしていきます。 今回お話を伺ったのは、株式会社繊研新聞社の谷山まどかさん。谷山さんには以下の質問についてお答え頂きました。 ・担当しているプロジェクトとそのゴール、その中での役割 ・プロジェクト力養成講座を受けようと思ったキッカケ ・本講座を受けて達成したい「勝利条件」と、メールマーケティングの位置 ・具体的にどのような活用・工夫を行って、勝利条件を達成しようとしているか ・本講座に参加してみて、良くなったこと、変わったこと ・講座参加後、当初考えていたプロジェクトの計画、アクションの変化 ・メールマーケティングへの影響の有無 [caption id=\"attachment_24901\" align=\"alignnone\" width=\"4011\"] 株式会社繊研新聞社 谷山まどかさん[/caption] --担当しているプロジェクトとそのゴール、その中での役割を教えて下さい。 繊研新聞社が発行するファッションビジネス専門紙『繊研新聞』の電子版を、メールマーケティングを活用して販売促進するというプロジェクトに関わっています。 電子版の購読促進のためのメールマーケティングを行っており、具体的な業務としては、メールマガジンの企画・制作・配信になります。 --プロジェクト力養成講座を受けようと思ったキッカケは何ですか? 理由はいくつかあります。まず、Benchmark Emailさんから講座案内のメールを受け取った時、若手が対象であるということと、前田さんが講師ということを知ったのがキッカケです。以前、繊研新聞社に人事担当者向けセミナーに来ていた前田さんの講演を聞いたことがあったのですが、そこで話されていた内容(筆者注:ここでもプ譜を使用して、人事担当者の方向けの人材採用プロジェクトのワークショップを行いました)を聞いて、受けてみたいと思いました。 それと、メールを受け取った時にメール配信システムを見直そうとしていたタイミングだったので、メルマガの事も色々学べるのではないかと思ったからです。メルマガ業務に関してはある程度現場の裁量で進められたので、いい機会だなと。 --講座を受けて達成したい「勝利条件」と、メールマーケティングの位置づけは? 勝利条件は、繊研電子版のメルマガを通じた購入促進です。お客様に購読頂くための接点になる最も効率の良いメルマガはこのプロジェクトにおいても重要な位置づけになっています。 *勝利条件:プロジェクトの成功判断の基準のこと --具体的にどのような活用・工夫を行って、勝利条件を達成しようとしていらっしゃいますか? メールマガジンの記事制作やデザインの他、リスト管理などを行っています。配信する内容を変えてみるといった工夫はもちろん、ただニュースを配信するだけでない、新たなコンテンツを考える幅が広がっていると思います。 --本講座に参加してみて、良くなったこと、変わったことはありますか? 1ヶ月に1回、時間をとって行うので、何かしら結果を出したいと思います。一人でやっていると自信が持てなくて、今じゃなくてもいいかなと思ってしまうのですが、「来月講座があるから、これをやってみたい」「こうしたい」といった提案が、上司などにできるようになりました。改善案や企画案を考え、そのための会議をひらいて、提案して、ということができるようになりました。 私の仕事はこのメルマガ配信業務だけではないので、ついつい後回しにしがちでしたが、講座に参加するようになり、より主体的に、自分で自分をたたくようになりました。 --講座参加後、当初考えていたプロジェクトの計画、アクションに変化はありましたか? これまでは施策を試行錯誤しながら色々回していました。受講し始めてからは、施策の優先順位が変わりました。とにかく新しいことをやろうとばかり考えていましたが、新しいことにチャレンジするばかりではなく今すでにある資産に対して手を打つことで、そこで得た成果を、新しいことに活かせればいいんじゃないかと考えられるようになりました。 --メールマーケティングにどのような影響がありましたか? 単にメールを送るだけではなくて、ステップメールやメールマーケティングオートメーションツールなどに興味を持つようになりました。講座の中で、他の参加者の方が行っていることも聞けるので、他にどのような方法があるのか、どんなことを行っているのかということに興味が持てるようになりました。 (インタビュー/文:前田考歩) 次回の講座開講はニュースレターにてお知らせします。 関連記事 メール配信の施策からゴールまでを可視化する。プロジェクト力養成ワークショップ開講!(ワークショップ第1回レポート) 感想戦でゴールまでの“ツジツマ”を再確認!(ワークショップ第2回レポート) 定期配信からさらに一歩進んだプロジェクトへ!ワークショップ参加者インタビュー:アプリコット出版株式会社


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